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胃がんはなくせる ピロリ菌除菌が効果 北大教授 撲滅計画提唱胃がんは日本人がなりやすいガンとして知られています。 男性のガン死亡者数は肺がんが1位、胃がんは2位ですが、 女性は依然として1位です。 この胃がんの原因がピロリ菌、ということが最近の研究で 分かってきました。そして、このピロリ菌の除菌方法も確立してきています。 北海道大学の浅香正博特任教授(ガン予防内科学)は ガン予防として、ピロリ菌除菌を訴え、「胃がん撲滅計画」を提唱しています。 胃がんの大半はピロリ菌による感染症、と浅香先生は言っており、 そのメカニズムは長年のピロリ菌感染による、胃粘膜の委縮が胃がん発症率を 上げているとされています。 ピロリ菌に感染していない人の胃がん発症はほとんどないと言われており、 除菌による胃ガン予防が有効であると言えるでしょう。 浅香教授らは、内視鏡治療を行った早期胃がん患者505人を対象に 治療後除菌した患者と、しなかった患者について3年間経過観察を行った。 結果、ガンを切除した場所とは違う場所に胃ガン再発した患者はいたが、 除菌した患者はしなかった患者に比べて1/3の発症にとどまった。 ピロリ菌にを除菌したのに、なぜ胃がんが再発したかというと、 胃がん患者はすでに胃の委縮が進んでいたためだと考えられています。 しかし、除菌により、発症率を1/3に減らせることができたことから、 除菌が胃がん予防に効果があることを示していると言えるとしています。 ピロリ菌の除菌による胃がん予防の効果は、 委縮していない若い世代に大きく出ます。 男女ともに30代までに除菌するとほぼ100%胃がんにならないとされており、 40代では男性93%女性98%。50代では男性76%女性92%。 60代では男性50%女性84%で予防できるという。 胃ガン撲滅計画は、胃がん死亡率が高くなる50再以上が対象で、 ピロリ菌検査、胃の委縮検査を義務づけています。 両検査で問題なかった人は今後検査は不要で、 ピロリ菌に感染しているが胃の委縮が進んでいない人は除菌治療を施します。 ピロリ菌に感染し、委縮が進んでいる人に対しては 定期的な内視鏡検査を実施し、経過を見て胃がんを予防するというのが、 胃がん撲滅計画の概要です。 2011年現在、国によるピロリ菌除菌による胃がん対策は 完全とは言えない状況にあります。 保険適応が胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、 早期胃がん(内視鏡治療後)にのみ適応で、 それ以外は自費で除菌治療をしているのが現状です。 現在、毎年約1万人の方が胃ガンを発症し、 国全体で、年間約3千億円の治療費がかかると推定されています。 2020年には5千億円にまで膨れ上がる恐れがあり、 これを減らすにはピロリ菌除菌の保険適応をして、 「胃ガン撲滅計画」を実施することが有効と浅香教授は提唱しています。 撲滅計画を実施すれば、受診率が半分(5割)と仮定したとして、 除菌の費用に年間約270億円かかるとしても、20年後には治療費は現行にとどまって、 死亡者数は年間5万人から3万人に減ると推測している。 その後、ピロリ菌感染者減少により、胃がん発症率はゼロに近づくのではないかと している。 浅香教授は「肝炎ウイルス対策を基本とする肝臓がんでは死亡者数が急速に減っている。 なぜ、胃がんはピロリ菌対策を行わないのか」 と言っている。
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